なんだ、全然ろくな映画ないなーって、これが素直な心境。
でも最近は邦画をよく見るようになったんです。昔は毛嫌いしてたけど、
あれってかっこつけだったのかな。
邦画は最近あたり(僕にとって)が多いです。今の僕の病状、体調、思考がそうさせているのかもしれないけど、素直に心に訴えてくる話には、直ぐに涙がこぼれ落ちます。
「象の背中」はタイトルから「なんじゃこりゃ?」って感じでしたが、
他に見る物もなく、することもなかったので見てみました。
結果、号泣。きっとこの作品のせいだけでなく、この作品が僕の中の何かスイッチみたいのを刺激したようで、いろんな感情があいまみあって涙が止まりませんでした。号泣している僕に、アテンダントの一人がハンカチを差し出してくれました。
「これ、私もすきなんですよ、いい話ですよね」と・・
僕は役所広司の演技が好きです。この作品でも見せてくれました。加えて、今回は奥様役の今井美樹がたまりません。とても綺麗な女性だなーと改めて実感。
死の宣告、これは誰にでも訪れる可能性がある事です。
この宣告を受けると、延々と続くのが当たり前だとなんとなく思っている人生に、いきなりゴールラインを引かれてしまう事になります。そのラインまで、どう生きるか、どう自分と向き合うか、またその辛さとそれを理解する強さ。僕はよくこの問いを自分にしてました。
最近ではもうそういう事はなくなったけど、昔はよく考えたものです。でも、怖かった。イメージするだけで僕は怖かった。役所広司はそれをしっかり受け止め、残された時間を、今を生きる事を選びました。象は自分の死をさとったとき、群れから離れ死に場所を探すそうです。役所もそうしました。でもそこには暖かい家族の愛がありました。ホスピスに入る事を選択肢、家族もそこで残された時間を見守る事になりました。暖かい家族です。
今、生、死、この3つについて、深く考えさせてくれたお話でした。